同じSSIDでも2.4GHzより5GHzを優先できるWi-Fiルータのバンドステアリング機能
- 2018/01/22 22:17
- Category: Wi-Fi関連::Wi-Fiの知識

Wi-Fiには無線周波数として、2.4GHzと5GHzの両者があります。
詳細は関連記事
Wi-Fiの技術:2.4GHz帯、5GHz帯と利用チャネル
こちらの記事にて詳しく紹介しています。
2.4GHzは利用可能なチャネル数が少ないことから、
電波干渉が多い問題があります。
このため、チャネル数が多い5GHzが最近ではメジャーであり、
Wi-Fiの最新規格である802.11acも5GHzのみがサポート範囲です。
利用用途によりますが、2.4GHzと5GHzの両者において、
SSIDを同じ設定にすることも少なくありません。
この設定とした場合、5GHzを利用できる端末の人が
意図せず2.4GHzに接続されWi-Fiが不安定になる問題が発生します。
(基本的に端末側(スマホ等)からはWi-Fiの周波数を選択できない機種が多いため。)
しかし、2.4GHzより5GHzを優先する設定が
最近のWi-Fiルータ(アクセスポイント)では可能になってきました。
機能名はバンドステアリング機能と呼ばれることが多いです。
2.4GHzより5GHzへの優先接続を実施できる無線アクセスポイント製品例
企業向けのアクセスポイントだけではなく、一般家庭向けの製品でも登場しています。
○バッファロー
機種名:WXR-1750DHP2
値段:14,300円(税抜)

一般家庭用の無線LANルータです。
小規模であれば企業向けでも利用できます。
2.4GHz、5GHzの制御はバンドステアリング機能と呼ばれています。
制御は3つのパターンがあります。
①2.4 GHz混雑時に5 GHzを利用する
②5 GHzを常に優先する
③混雑していない帯域を利用する
5GHzが混雑することは滅多にないですし、
最新のWi-Fi規格である802.11acは5GHzのみ対象のため、
家庭で利用する場合は②の設定でも問題ないと思います。
ただ、家庭用途の場合、
そもそも2.4GHzと5GHzを別々のSSIDにしても良いと思います。
○NEC
機種名:PA-WG1900HP
値段:オープン価格(ネットでは1万円以内程度)

こちらも家庭向けです。
バッファローと同じくバンドステアリング機能と呼ばれています。
設定はON、OFFのみのようで、
ONにした場合、5GHzに優先的に接続されます。
〇I/Oデータ
機種:WHG-AC1750AL
価格:19,800円

SOHO向けです。
こちらもバンドステアリング機能と呼ばれています。
ON,OFFのの設定が可能です。
〇RUCKUS社
家庭向けではありません。
企業向けのアクセスポイントを取り扱っているメーカです。
最近だんだん有名になっている気がします。
同じくバンドステアリング機能を備えています。
〇Cisco社
こちらも家庭向けではありません。
Ciscoは無線アクセスポイントを初め、
企業向けのNW機器を扱う大手メーカです。
信頼性が高くITに関わっている方から誰でもしっている企業です。
2.4GHz、5GHzの制御はバンドセレクト機能と呼ばれています。
製品例としてご紹介しましたが、
2017年あたりから発売されてるWi-Fiルータは
このバンドセレクト機能を備えたものが家庭向けでも企業向けでも
一般的になってきました。
2.4Gと5GのSSIDを同じにするメリットは?
〇一般家庭利用の場合
自宅で利用するWi-Fi接続がスマホだけであれば、
最近のスマホはほぼ5Ghz対応なので、
2.4Gは最初から利用せず5Ghzだけにしておけば十分だと思います。
切替機能をONすることで無用な切替が発生しても面倒かなと。
ただし、一部のゲーム機等はまだ2.4Ghzのみしか利用できないことがあります。
この時はゲーム機用に2.4GのSSIDを5Gとは別に設定しておけば問題ありません。
〇来客向けの無線Wi-Fiサービスを提供する場合
観光地、ホテル、お店など、
お客様(外国人観光客等)向けにWi-Fiサービスを提供している場合、
お客様が持っている端末機器が2.4GHz、5GHzのどちらに対応しているか分からないですし、
区別して説明しても詳しい方でない限り理解されることは望めないので、
バンドセレクト機能があると、快適なWi-Fi環境を提供することができると思います。
〇企業内部で利用する場合
どのような運用をするかによります。
SSIDを分けることで通信を分離(VLAN設定等)したい運用もあるでしょうし、
一律のNW環境で管理を楽にする運用もあると思います。
企業向けを語りだすと長くなるので詳細は割愛
端末側で2.4Gと5Gの制御はできないのか?
バンドステアリング機能はWi-Fiルータ側の機能です。
Wi-Fiスポット等では2.4Gと5Gが同じSSIDであることが多く、
バンドステアリング機能が有効でないことがほとんどです。
まだ機能としては新しいため当然といえば当然ですし、
そもそも無料であることが多いWi-Fiスポットに多くは望めません。
そんな時は端末側で制御できないと、
電波干渉が多い2.4Gに意図せず繋がってしまうことになります。
〇スマートフォンの場合
一部のAndroid機種で2.4G、5Gの制御ができるものがあるのですが、
メジャーではないようです。
因みにiPhoneでは制御できません。
〇パソコンの場合
搭載しているWi-Fiのネットワークドライバによりますが、
設定可能な機器は多いです。
詳細設定はデバイスマネージャからWirelessコントローラの部分を開き設定します。

画面は私のPCの場合ですが
・NO Preferace → 優先制御無し
・2.4G first → 2.4GHzを優先
・5G first → 5GHzを優先
のように設定可能です。
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